手術技能コンテスト
本日(5/22)、若手(33歳以下)心臓外科医対象の心臓バイパス手術の技能コンテスト、東日本大会が行われたそうです。今までは、手術の下手な医師が、下手だという自覚もなく、病院ごとの独断、独自の方法で手術が行われてきたことを考えると、とっても怖い。患者に医師は選べないし、選ぶ為の情報開示もなかったから。日本では、下手な医師が手術を失敗しても保証どころか、やりなおした手術代までダブルでとられていた。こんな理不尽な事は、他の業界では考えられないことである。
・・・というわけで、今回のような、手術技能コンテストで、自分が全国の医師のレベルと比べて、どのくらいの技術レベルにいるのか?ということを自覚し、技術の向上に役立てば、日本の医療水準が上がって、患者も大助かりだ。心臓外科に限らず、他の科でもコンテストをやって、医師の技術の向上を図ってほしい。上位者のランキングだけでも患者に公開してもらえば、行列のできる病院と、そうでない病院ができ、競争意識が芽生え、技術向上に拍車がかかると思う。
先輩が、「カラスは白い」といえばそれに従わなければならないような、年功序列や派閥にこだわって、患者を殺してきた日本の医師の意識を変えていって欲しい。教授(院長)巡回の大名行列などしているヒマがあったら・・・
参考: 以下は、本日のことなので、まだ記事になっておらず、昨年の記事の引用ですが・・・
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/change/20050622ik07.htm
「手術の腕試し」
若手医師らによって行われた心臓外科手術の技術コンテスト(東京・千代田区で) 若手医師のレベルアップを図るため、一流の心臓外科医たちが開くコンテスト形式の講習会に注目が集まっている。(鈴木敦秋)
「外科医のタブーにメス」
ブタの心臓部分がランプで照らされている。持針器(じしんき)に挟まれた針が、太さが数ミリの血管と心臓の冠動脈とをつないでいく。「緊張するなあ……」。そうつぶやく若手医師の指先はかすかに震え、テレビドラマで見る手術シーンとはかなり違う雰囲気だ。
10人の医師が順番に執刀し、それぞれ10分強から30分かけて吻合(ふんごう)を終える。6人の審査員が真剣な目をそれぞれの医師の指先に注ぎ、「良好な視野」「適切な針の運び」「時間」「仕上がり」……など12項目を5段階で評価するスコアシートを埋める。
先月下旬、東京で開かれた「チャレンジャーズ・ライブ」予選会。第一線で活躍する心臓外科医の有志によるこの実験的な企画は「技術の評価基準をつくり、若手の登竜門にしよう」(夜久均(やくひとし)・京都府立医大心臓血管・呼吸器外科部門教授)という発想から始まった、心臓手術の基本的な技術を競うコンテストだ。
ソムリエやバーテンダーから伝統工芸、トラックの運転まで、技術を売る業界では当たり前のコンテスト。いずれも質の底上げや有望な新人の発掘を目的にしているが、「医師の技量はみな同じ」という建前の医療界では、“他流試合”が行われることはほとんどなかった。
外科系の医局では、執刀医は年功序列で決まることが多い。さらに、手術の流儀や指導法は大学病院ごとにバラバラで、現状では、公正なトレーニングのシステムや、5年後、10年後の到達目標もない。自分がどのレベルにいるのかも分からない。
こうした中で夜久教授らは、日本を代表するとされるベテラン心臓外科医らに呼びかけ、一昨年から33歳以下の若手を対象とした講習会を始めた。そして、3回目の今回から標準的な手術の評価基準を明文化し、若手の意欲をより高めてもらうために、予選会を勝ち抜くコンテスト形式に改めた。
参加者たちは、午前中に一度、同じ手術を審査員に披露し、「メスの持ち方が悪い」「肘(ひじ)の位置を変えて腕の震えを止めろ」「そこで深呼吸を2回しろ」などの具体的で徹底した指導を受けた上で予選会に臨んだ。それでも、技術には格差があり、有名病院に勤務する医師が必ずしもうまいわけではない。
審査員の評価は全員に示され、結果はほぼ一致する。「複数のベテラン医師が明文化された基準をもとに評価すれば、客観性が保てる。本選会では、200人以上の心臓外科医を集め、基準についての議論をより深めたい」と、夜久教授は話す。
医師の技術を評価する試みは、医療事故防止や質向上を目的に、内視鏡外科学会など少なくとも10学会で行われている。
「医療情報の公開・開示を求める市民の会」の事務局長で中央社会保険医療協議会(中医協)の委員を務める勝村久司さんは、チャレンジャーズ・ライブをこんなふうに評価する。
「技術が反映されない専門医制度や、歪(ゆが)みの大きい診療報酬体系を変えるためにも、技術が標準的な基準で評価される仕組みづくりが求められており、こうした試みを医療の質の底上げや事故防止にもつなげてほしい」
医療情報の公開・開示を求める市民の会のホームページは、
http://homepage1.nifty.com/hkr/simin/
中央社会保険医療協議会の審議内容は、
http://www.mhlw.go.jp/shingi/index.html#chuo
コンテスト チェック項目(一部)・・・
視野と位置が良好
落ち着いている
手術のイメージができている
トラブル回避の事前対策がある
トラブル対処が冷静、的確
組織に対して愛護的
針を入れる位置や幅が的確
確認と慎重な操作
仕上がりが美しい
時間が適切
針の運びがスムーズ
順手、逆手の針の運びができる
・・・
(2005年6月22日 読売新聞)
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